学長からのメッセージ | アタッチメントアカデミア

学長からのメッセージ

学長からのメッセージ

いまの子育ては、このままでいいのか?

『“子どもがちゃんと育つ”という“あたりまえ”は、案外難しいことなのではないだろうか?』

そんなふうに感じ始めたのは、わたし自身が親になったころ、もう20年以上前のことです。

いまや、この疑問は確信に変わっています。

子どもが生まれたら、親は親になり、子どもは育つ…。

なにもしないで、この“あたりまえ”が機能することは、もはやありません。

“子どもがちゃんと育つ”という“あたりまえ”は、案外難しいことなのではないだろうか?

どう接すればいいのか、どう声掛けすればいいのか、どう愛せばいいのかさえ自信がもてない、愛し方を間違ってしまう…多くの親は、そうした不安を抱えながら子育てしています。

不安だから、善かれと信じて、子どもにとって“よくないこと”をしてしまいます。

そんななか、問題行動、多動、発達が心配…思春期になれば、うつ、不登校、引きこもり…そうした子どもは、年々増えているのが事実です。

このままでいいとは、誰も思っていない。しかし、どうすればよいのかわからない。それが、現状ではないでしょうか。

現在進行形で、われわれは何ができるのか?

これは、“子育て”だけの単純な話ではありません。“保育”、“教育”、“子育て支援”…子どもに関わるすべての人の問題です。親だけの責任ではありません。

社会のなかの“子育て機能”が失われてしまっているのです。核家族化、コミュニティの喪失、社会的ストレスの増加、子育て情報の氾濫…理由を挙げれば、いくらでも出てくるでしょう。しかし、どんなに理由を挙げても解決にはつながりません。そんなことを言っている間に、子どもは大きくなってしまいます。

現在進行形で、われわれは何ができるのか?

この問いに正解はありませんが、親に、そして保育士、看護師、助産師、子育て支援、学校の先生に、確実に必要とされるものがあります。それによって、子育てが今よりもよい方向に向かいます。

『知識』と『学び』…つまり、“子育てを学ぶこと” です。

これは、現代を生きるわれわれ大人にとって、もはやリベラルアーツ(生きるための必修科目)だと、わたしは考えています。子育てを学び、 “子どもがちゃんと育つ”ことは、“大人もちゃんと成長できる”ことにつながります。

もっとつっこんで言えば、大人が成長できるような子育てでなければ、子どもはちゃんと育ちません。発達心理学の先人たちが教えてくれているのは、まさにそういうことです。

リベラルアーツ(生きるための必修科目)

子どもの発達は、親の成長とともにある

『子どもの発達にあわせて、親も人として成長しなければならない。』

こんな“子育てのあたりまえ” を、現代人は過去に置いてきてしまったのかもしれません。昔は何も考えなくても、子どもも、親も、まわりの大人も成長していました。それは、“社会の子育て機能”によるものです。

いまは、もう存在しません。だから大人は、リベラルアーツとして「子育て」を学ぶ必要があります。

子育てでは、いろんなことが毎日起こります。発達に応じて、起こることは変化します。何の脈絡もなく起こるそれらの一つ一つには、ちゃんと理由があり、メカニズムが働いています。それがわかっているのと、そうでないのとでは、起こる結果はまったく変わります。善い方へも悪い方へも転ぶ可能性があります。

つまり、子どもをちゃんと育てようと思うなら、親も子どもの発達に合わせて葛藤できるだけの“リテラシー”を身につける必要があるということです。

子どもの発達は、親の成長とともにある

保育士や看護師、助産師、子育て支援、学校の先生といった、親子に関わる専門職の方々は、親が学ぶ機会を提供し、導くことが、これからの大きな役割になります。そうすることで、仕事において人間成長できて、人生を彩ることができます。

子どもの発達において大事なことは、
大人にも同じ

「子育てを学ぶことは、大人として人間成長することである。」

発達心理学の先人たちは、一様にこの結論に至っています。ひとつの成長の先に、次の成長がある。そこには、飛び級も近道も存在しない。それは、子どもも大人も同じこと。

学校を卒業して社会にでた保育士や看護師・助産師が現場で経験をつんで、はじめて感じる知識不足や専門スキルの必要性。あるいは、子育てがひと段落したお母さんが、その経験を活かして子育て支援に従事しようとしたとき必要な知識。仕事を引退して、地域のお母さんや子どもたちのために何かをしようという方が、人生第二の生きがいを得るお手伝いとなる学び。そのタイミングだから、学びの必要性に気づき、身につくことがあります。

子どもの発達において大事なことは、大人にも同じ

学んだ知識やスキルを、現場で活用する。現場であらたな壁にあたったら、いつでもまた学びにかえってくる。

本学は、入学も卒業もない、ずっとそこにある学びの拠点です。

アタッチメントアカデミア
学長 廣島 大三

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