「アタッチメントと発達心理学」から
子育てと保育を学ぶ「大人の学校」

「アタッチメントと発達心理学」から
子育てと保育を学ぶ「大人の学校」
“子育て”は、もはや当たり前の営みではなくなってしまいました。いまや、子どもが生まれたら黙っていても親になり子どもは育つ、ということはありません。わが子のことを十分に愛していても、愛情のかけ方を間違えれば、子どもは“ちゃんと”育ちません。それが、現実です。
親子関係の断絶、愛着障害、引きこもり、思春期うつ病、反社会的行動…多くのケースでは、思春期に入ってから問題が表面化します。思春期を何事もなく過ごしても、社会に出てからうまくいかず仕事を辞めてしまい、親にパラサイトするケースも増えています。
子どもの育ちがうまくいかないのは、
大人の責任です

こうした問題の根っこは、幼少期の育ちにさかのぼります。少し乱暴な言い方ですが、大人の責任です。「子どもを“ちゃんと”育てる」ことは、親だけでなく、われわれ大人に課せられた “社会における責任”です。
もはや子育ては、社会全体の課題として捉える時代に入ったと言えます。
本来、江戸時代の日本は社会(地域の機能)で子育てをしてきた国でした。そのころに回帰し、“いま”の形に再解釈して、“ちゃんと”した子育てをとり戻すことが必要です。
「親の知識不足」は、
想像以上に深刻な事態をまねいている

現代の子育てにおいて、もっとも深刻なのは、「親の知識不足」です。米ハーバード大学両親研究所所長(当時)のバートン・ホワイト博士が、1980年代初頭に、すでに警鐘を鳴らしているとおりです。知識がないから、情報に惑わされたり、まわりに翻弄されたりして、子育てが見当違いな方向へ迷走します。
その積み重ねによって、子どもが“ちゃんと”育たない現実を生んでいます。
アタッチメントと発達心理学を柱に学ぶ
「大人の学校」

「アタッチメント・アカデミア」は、そうした親や教育者が、子育てと教育を学ぶための「大人の学校」です。学びの柱となるのは、アタッチメントと発達心理学です。
現代は、「親が子育てを学ぶ」ことは、子どもを“ちゃんと”育てる上で、必要不可欠です。この現状を、わたしは、こんな風に受講生に伝えています。
『知識で子どもは育ちません。
同時に、知識なしには、やはり子どもは育ちません。
それが、現代の子育てです。』
もっとも大きな問題は、「わたしたちが、子育てや教育において信じている“あたりまえ”や“常識”が、子どもの心を壊し、可能性を潰すことがある」という事実です。
“単体の子育て知識”を聞きかじっても、
逆効果になるだけ

たとえば、「子どもは褒めて育てる」という誰もが知る子育て知識があります。もともとは、心理学者アドラーの教えであり、いまや子育ての“あたりまえ”です。しかしこれは、すべての子どもに、いつでも当てはまるわけではありません。
状況によりますし、発達段階にもよります。さらに、一人ひとり性格も、能力も、好き嫌いも、得手不得手も、物の捉え方感じ方も違うのですから、個々の子どもによって対応は違います。それを無視して闇雲に“褒め”れば、子どもの成長を遮ってしまうことだってあります。
つまり「子どもは褒めて育てる」という単体の知識を知っていても、うまく機能はしないのです。この知識を活用するためには、アドラーが、この言葉の前後で何を言っているのかを知ることが必要です。それを知ると、闇雲に褒めればよいわけではないことがわかります。そこで、どんなときに褒めればよいのか?を探ろうとすると、劣等コンプレクスの概念に辿りつくでしょう。さらに学ぶと、優越コンプレクスに行き着き、その先は精神病理の方向性へと学びが向かうでしょう。
つまり、一つの子育て知識だけで乗り切ろうとすれば、必ずそこには歪みが生じるのです。テレビや、Youtube、ネット、書籍・・・我々が接するあらゆる媒体には、その手の“単体の子育て知識”があふれています。それらを聞きかじっては闇雲に行使する行為が、あちこちで起こっています。
「子育てを学ぶ」ための発達心理学と
アタッチメント理論

発達心理学とアタッチメント理論は、わたしたちの子育てを指南してくれます。子育て情報の使い方を教えてくれます。子育ての本質を説いてくれます。偽物の情報や間違った情報を見極める眼を養ってくれます。わが子のためのオーダーメイドの子育て方針を立ててくれます。
そのためには、複数の学者の理論を、メタ的な視点(俯瞰して全体を観る)で、体系的に学ぶ必要があります。それは、学問としての発達心理学やアタッチメント理論とは別物です。そのような学びを、わたしたちは「子育てを学ぶ」と定義しています。
知識なしには子育ては成立しない時代に「子育てを学んでみよう!」と思われた方は、ぜひアタッチメントアカデミアで、いっしょに学びましょう!
一般社団法人日本アタッチメント育児協会 理事長
アタッチメント・アカデミア 学長
廣島 大三