あそび発達 | アタッチメントアカデミア
カリキュラム・科目詳細

あそび発達

あそび発達

いまや子育て支援の現場にこそ、
幼児教育の視点が必要です

乳幼児期の教育や非認知スキルの重要性が説かれるようになり、幼児教育は、これまで以上に注目を集めています。

また、保育の現場においても、「非認知スキル」は、「社会情動スキル」として重要視されています。

この「幼児教育や非認知スキルの重要性」については、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン博士の著書「Giving Kids a Fair Chance」をはじめ、経済、教育、心理、脳科学など様々な分野で、同様の結論に帰結しているのを見ても、疑う余地はないところです。

ヘックマンは、これまで重要視されてきたIQ(知能指数)に代表される「認知スキル」よりも、性格傾向や行動傾向を方向付ける「非認知スキル」の方が、学業、将来の仕事、収入、健康におけるまで、将来に与える影響が大きい、と結論付けています。

さらに、その「非認知スキル」を高めるためには、6歳までの幼児教育が、もっとも効果的であることを、40年以上にわたる追跡調査のもとに、明らかにしています。

そして、経済学の視点から、教育にお金を使うなら、乳幼児期に投資するのが、最も高いリターンが得られると結論付けています。

こうした考え方は、いまや世界の先進国では、標準となっています。

その一方で、日本では、従来のIQ(知能指数)を高くすることや、認知スキルを高めることが、幼児教育のメインストリームとなっています。

幼児教室が謳うのは、IQが高くなることや、早い時期から読み書きや計算を身に付けることです。

そして、そこへ通わせる親も、それらを求めている側面があることは否めません。

そのため、日本では、「非認知スキルの重要性」については、言葉で謳われるだけで、実際の営みは、実は定着していません。

多くの親も教育者も、「非認知スキルは大事だ!」と口では言いますが、実際に興味があるのは、目に見える部分、つまりIQテストの結果や読み書きや計算といった認知スキルであり、非認知スキルへの取り組みは、二の次です。

これは、子どもにとっては「一生涯にわたる人生のアドバンテージ」を獲得する機会を逃していることと同じです。

「本来の幼児教育」とは、その子の発達段階に合わせた営みを導くことであり、非認知スキルと認知スキルをバランスよく取り組むことであり、そして、心の発達、体の発達、知能の発達のそれぞれが相互に影響し合って成長するものです。

そうした「本来の幼児教育」を、子どもに与えてあげるのが、大人の役割であると私どもは考えます。

これを実現するのに最も適している場こそが、保育の場であり、子育て支援の場です。

そして、それを担うのに最も適しているのは、保育士さんや地域で子育て支援に携わる方々、親子教室の先生、児童館職員さんなどです。

こうした身近な子育て支援の営みの中に、「本来の幼児教育」の視点を取り入れた遊びや体験を提供できれば、多くの子どもたちが、その恩恵を享受することができます。

そして、その遊びや経験は、子どもたちに非認知スキルという「一生涯にわたる人生のアドバンテージ」を与えてくれます。

ベビーマッサージに続く子育て支援の取り組み「あそび発達」教室

私ども日本アタッチメント育児協会は、子育て支援の取り組みとして、全国の子育て支援センターや保育園、病院、産院、児童館、あるいは個人教室において、ベビーマッサージをはじめとする親子教室を推進し、この13年(2020年現在)で約6,000人のインストラクターを育成してまいりました。

いまやベビーマッサージは、全国のほとんどの地域で、教室を見つけることが出来る状況になっています。

当協会でも、北は北海道の東端から、沖縄まで、さらに海外各国の日本人コミュニティにまで、インストラクターは広がり、各地で活動しています。

また、ベビーマッサージは、内閣府が重視する0~1歳児の子育て支援においては、最適であり最良の営みであることは、間違いありません。

しかし今、子育て支援の現場では、ベビーマッサージを卒業した次に、あるいはベビーマッサージと共に取り組める何かが求められています。

それに対する私たちの答えが「あそび発達」です。

「あそび発達」は、0~3歳の子どもの発達段階に合わせた営みを導き、非認知スキルと認知スキルをバランスよく取り組むことで、心の発達、体の発達、知能の発達のそれぞれが相互に影響し合って発達を促す「日常の遊びや体験」のメソッドです。

本来、非認知スキルは、お母さん(あるいは保育者)と子どもの「アタッチメントのやりとり」を通して育まれます。

そうして育まれた非認知スキルに呼応して、認知スキルが伸びるのです。

ですから、お母さんが積極的に関わってくれることが、非認知スキルを伸ばすカギなのです。

その意味で、「あそび発達」は、これまでの認知スキルを成果とする幼児教育や早期教育のための幼児教室ではなく、よりお母さんとの関わりが深い「子育て支援」におけるベビーマッサージ教室のように、保育士さんや、母親教室や子育て支援のための教室の先生、児童館職員さんが提供する親子教室が、より望ましいのです。

参加するお母さんも、先生まかせではなく、自分でも遊びを覚えて帰ってもらって、おうちでも、日常の営みとして取り組んでもらうことが重要です。

その点で、「お母さんの学び」を提供する役割も担う子育て支援は、最適なのです。

それだけではなく、子育て支援の場は、より身近な場所で、気楽に通うことが出来て、大きな費用負担がなく、多くの子どもが参加できるため、機会の格差を埋めることにもつながります。

次項では、実際に子育て支援の場で「あそび発達教室」を運営している方々の事例をご紹介します。

「あそび発達インストラクター」は、日本アタッチメント育児協会の公式認定資格で、同協会の主催するインストラクター養成講座の中で、そのメソッドと、その根拠となる学術背景、理論を学び、認定資格を取得することが出来ます。

いま、全国各地の子育て支援センターや、子育て広場、あるいは個人教室で、0・1・2歳から取り組める幼児教育として、認定資格を取得した公認インストラクターが、この「あそび発達」教室を展開しています。

子育て支援の現場で、乳幼児期の発達に合わせた遊びや、学習の土台をつくる遊びを教える教室

そもそも、子どもの発達において、知能・情緒・運動の3つの要素は三位一体で連動しており、どれかを突出させるというものではありません。

特に「人格の土台」を作る0歳から3歳の時期は、3つの要素が垣根なくつながっており、同時併行的に関わり合いながら発達を遂げていきます。

つまり、知能系の幼児教育や運動系の習い事などをそれぞれやるよりも、知能と情緒と運動の要素が互いに関連し合ったアクティビティを行った方が、より豊かな「人格の土台」を作り、それは高い知能や、優しい心や、高度な運動能力の獲得につながるのです。

認知スキルと非認知スキル(社会情動スキル)という観点でも全く同じことが言えます。

本来、遊びというのは、子どもが楽しく時間を過ごすだけのものではありません。

子どもの脳と心と体を育む営みです。

そうした観点から、「あそび」を脳・心・体の発達と関連させ、それらを豊かに育み、豊かな人間の土台をつくることを目的としたのが「あそび発達」であり、それを教えるのが「あそび発達インストラクター」です。

子育て支援における「あそび発達教室」の実例

『保育教諭として、幼保連携型子ども園の子育て支援の一環で、サークル活動をしています。その中で、あそび発達教室やベビーマッサージ、アタッチメント・ジム、アタッチメント・ヨガを取り入れています。』

ベビーマッサージサークルからスタートし、サークル活動をしていく中で、子どもの発達にいいことを、自分の感覚や経験からでしかうまく伝えられないもどかしさがありましたが、「あそび発達インストラクター養成講座」を受講し、学んだ理論と自分の経験とがリンクしたので、「これなら伝えられる!」と確信し、あそび発達教室を取り入れました。

教室では、お子さんには教室で取り上げる玩具で実際に遊んでもらいながら、お母さんには写真を見てもらい、具体例をあげながらお話をしています。

「あそびの環境を作ってあげる」ことで“好きなこと”や“得意なこと”が増えていきます。子どもたちが昨日までできなかったことが出来るようになった時や、感じる心が育っている瞬間に出会えた時、胸いっぱいの幸せを感じます。

「あそび発達教室」の実例
「あそび発達教室」の実例

充実の講座内容

本講座は、「レクチャー(講義)」と「ワークショップ(実践ワーク)」で構成されています。

レクチャー(講義)

レクチャー(講義)は、学術的知識をベースに学びますが、学問としてではなく、実践で活用できる知識として学びます。

「あそび発達学」の科目では、遊びと発達の関わり、遊びとは何か?といった基本的な知識に始まり、知能(脳)・情緒(心)・運動(体)を三位一体で捉えた「三位一体らせん成長理論」、そして、子どもにとって本当に必要な幼児教育について、さらに、現代の「遊び環境」に関する問題点についても学びます。

「発達心理学」の科目では、アタッチメント理論から心の発達を学び、子ども運動科学から運動発達を学び、認知発達論から知能発達を学び、さらにライフサイクル理論から、子どもの発達の概観を学びます。

「0歳から3歳 発達段階別あそび集」では、東京家政大学子ども学部子ども支援学科准教授の細井香先生に、発達段階別に日常の育児の中に取り入れられるあそびの実例を監修いただいております。

また、インストラクターとして必要な教室運営の知識も学ぶことが出来ます。

取り組み方

受講生の取り組み方は、毎回真剣そのもの。講師も毎回、真剣勝負です。

発達心理学やアタッチメント理論

発達心理学やアタッチメント理論といったベビーマッサージの生い立ちの部分から学びます。

学術分野の知見

学術分野の知見を、育児における実践の立場から伝えるカリキュラムを組んでいます。

発達段階別のあそびのテーマ

発達段階別のあそびのテーマと、具体的なあそびについても学べます。

ワークショップ(実践ワーク)

ワークショップは、レクチャーで学んだ知識を、ワーク(ペアワークやグループワーク)によって、実際の体験として理解し、学んだことをアウトプットすることで、より深い理解にまで導きます。

多くの地域から、様々な受講生が集まるこの講座ならではの学びです。

「幼児教育の現状を把握するワーク」では、様々な立場の、多様な受講生が、現代の幼児教育の現状について話合い、これからの方向性を探ります。

「幼児教室カリキュラムづくりワーク」では、発達心理学や発達あそびメソッドといった講座で学んだ知識・スキル・メソッドを使って、実際の幼児教室で行うカリキュラムを作るワークです。

毎回、すぐにでも使えそうな完成度の高いカリキュラムが創案されます。このワークによって、教室カリキュラムの作り方を身に付けます。

「コフートワーク」では、育児セラピスト前期課程(2級)の必須科目として、コフート自己心理学に対応した共感的カウンセリングワークを体験します。

ワークショップ(実践ワーク)
ワークショップ(実践ワーク)

実際に受講された方々のお声

看護師

看護師

40代女性

もっと知りたい!知ったことを伝えたい!という気持ちが膨れ上がり、ワクワクした気持ちがすごかったです

理論からもう一度学び、発達のこと、遊びのことをたくさんの学びを得られました。1日目を終了したときから、もっと知りたい!知ったことを伝えたい!という気持ちが膨れ上がり、ワクワクした気持ちがすごかったです。

赤ちゃんが生まれて、お母さん、お父さんもママパパの1日目がスタートしていきます。

赤ちゃんが泣くことや初めての乳児湿疹で不安になるお母さんたちを見てきました。

これからちゃんと育てていけるだろうか?私がしっかり頑張らなくちゃ!と頑張りすぎて疲れ果てていき、どんどん不安になっていくお母さん方が多いようです。

「普段の子どもの育児を通して子どもと関われているんだよ」「完璧を求めようとしないで、ほどほどで大丈夫だよ」と根拠を交えてしっかり伝えていってあげたいと思います。

自分に子どもがいないので、子育てに関する苦労話を共感はできても、共有することができなかったのですが、発達段階を考えた上で、アプローチしていけたらいいなと思いました。

オールラウンダーな看護師になる!と思っていた自分に、この講座を受けようと思ったきっかけが与えられ、また新たな看護師としての道が開かれた気がします。

保育士

保育士

20代女性

沢山の遊びやおもちゃがある中で、自分自身でそれらを見極めていく必要性を知り、またそのための知識を得たとても素晴らしい時間でした

どのようなことが学べるのかドキドキしながら講座に参加しましたが、理論に基づきつつ、分かりやすい具体例があり、同期生とのワークを通して楽しく深く学ぶことができました。

ぼんやりと遊んでいたことも講座を受けたことで、この遊びはこの発達に繋がっていると理解することができたし、今後、園児や将来できるかもしれない自分の子どもに合った遊びや触れ合いを提案していけることを学ばせていただけました。

沢山の遊びやおもちゃがある中で、自分自身でそれらを見極めていく必要性を知り、またそのための知識を得たとても素晴らしい時間でした。

この講座をきっかけにもっと色々学んでみたい!との思いが強くなり、保育に対して前向きな気持ちが生まれました。

和やかで楽しい学びの場を提供してくださり、講師の先生には感謝でいっぱいです。

主婦

主婦

40代女性

オンラインなので、帰りの心配もなく質疑応答も時間を気にすることなく、ゆっくり参加できました

参加してよかったです。

オンラインで勉強をしたことがなかったのですが、2日間しっかり勉強することができました。

家で学べたので、休み時間には子どもの様子をみることができたり、お昼は一緒にご飯を食べたりできました。

帰りの心配もなく質疑応答も時間を気にすることなく、ゆっくり参加できました。

私が勉強している姿を子どもたちは初めて見ました。

ママが勉強頑張っているからと4年生のお兄ちゃんはこの土日たくさん勉強したそうです。

年長の娘はママえらいね!と肩をもみもみしてくれました。

母が何かをやっている姿を子どもに見せるというのも大事なのだと新たな発見がありました。

保育士

保育士

30代女性

アタッチメントによって心を育むことが、大きくなってからの育ちにもすべて関わってくる

1つ1つの遊びに目的を持って、子どもの発達を促すためにある意味で誘導してあげなきゃいけないのではないかと思っていました。

目的を持ってしまうと遊びではなくなってしまう、できる時期ややりたい時期は子ども自身が教えてくれると知れたことがとても学びになりました。

知識はしっかり持ち、子どものことをしっかり観察して子どもに合わせて遊んでいくことを今後は実践していきたいと思います。

また、自身の子育てで悩んでいることも相談させていただけてありがたかったです。

アタッチメントによって心を育むことが、大きくなってからの育ちにもすべて関わってくるということを再認識できたので、自分の方針にブレずにこれから過ごしていこうと自信になりました。

看護師

看護師

50代女性

「あそび」が子どもにとってこんなに大事なんだと保育の現場にいながら改めて気づきました

2日間集中して講義を聴いたり、考えをまとめて文章にするのが久しぶりの体験で緊張もし、ワクワクもしました。

育児セラピスト、あそび発達ともに基本的な所を勉強しましたが、これは入り口に過ぎなくてもっともっと深いものなのだろうな、いつか勉強したいなと思っています。

「あそび」が子どもにとってこんなに大事なんだと保育の現場にいながら改めて気づきました。

今やっている保育の狙いなどの裏付けを理解する手立てにもなると思います。

そして保護者の方々にもそういうことを分かりやすくお伝えしていきたいです。

この機会にめぐり逢えて感謝しています。ありがとうございました。

保育士

保育士

40代女性

専門職として資質を高め、子育て支援にも、子どもの発達を促した援助にもとても役立つ内容であったと思います

保育士研修などで、何となくしか分かっていなかったことが、しっかりとした理論をもとに全てに意味があり、母と子にとって素晴らしいものなのだと理解できました。

専門職として資質を高め、子育て支援にも、子どもの発達を促した援助にもとても役立つ内容であったと思います。

知識を得ることほど大切なものはないと思った2日間でした。

自営業

自営業

30代女性

今回受けてみて、「あそび」がとても深くて意味のなる大切な営みだということが分かりました

「あそび」というと、ただ漠然としていて、なぜ大切なのか、どんな働きや意味があるのか?などまで分かりませんでしたが今回受けてみて、とても深くて意味のなる大切な営みだということが分かりました。

まだ、自分の中に落としきれていない部分も多く、実践や経験も浅いので、今回の学びを活かした活動へとつなげられるように努力していきたいと思います。

社会情勢や時代背景などまで広く深く教えて頂き、「教育」というものへの価値、見方、重要性を考え直すきっかけともなりました。

丁寧なご指導ありがとうございました。

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