ベビーマッサージと出会って、わが子を『かわいい』と思えた

ベビーマッサージと出会って、わが子を『かわいい』と思えた
子育てで感じた挫折感
奥さんがベビーマッサージ教室を始めたきっかけは、ご自身の初めての子育てにさかのぼります。
「20代前半で結婚。神戸に引っ越し、知り合いのいない土地での新生活が始まりました。孤独を感じるなかでの妊娠・出産、子育ての日々でした。」
くわえて、一人目のお子さんが熱性けいれんをよく起こすこともあって、「外に連れ出して風邪でも引いたら」と極度に外出を避けるようになり、一時期、精神的にもかなり追い詰められていたといいます。

「いま振り返れば、かなりノイローゼに近い状態だったと思います。カレンダーに毎日数時間ごとの子どもの体温をびっしり記録していました。子どもが生まれるまでは自分の努力で何でも乗り越えることができた、自分の望みは努力すれば叶えられるものだと思って生きてきたのに、子育てはそうはいかない、その絶望感に打ちのめされていました。」
はじめてわが子をかわいいと思えた
そんな奥さんにある転機が訪れます。
神戸市内の病院でベビーマッサージ教室に参加することになりました。
お子さんと向き合い、ベビーマッサージを始めると奥さんの気持ちに変化がうまれました。
「そのときに初めて、わが子を『かわいい』と思えました。それまでは、この子をちゃんと育てないといけないと思いすぎていて、そう思えていなかった。そこから子育ての風向きがいい方向へ変わっていきました。」

理事長の言葉が胸に刺さった
そうしたご自身の経験から「不安や悩みをかかえるお母さんたちの力になりたい」と、2018年に「アタッチメント・ベビーマッサージインストラクター」の資格を取得されました。
「日本アタッチメント育児協会のHPで廣島理事長の書かれた記事を読んで、子育てに対する考えに感銘を受けました。おこがましいかもしれませんが『自分の価値観と一致している』と思えたことが受講の決め手でした。」
わが子の発達は不安になりやすいもの
さらに、奥さんは「ベビーキッズ・あそび発達」講座で学んだ「子どもの発達」について、お母さんたちにも知識として知ってほしいと、資料にまとめラミネートして教室で読めるように置いているそうです。
「この時期に、追視ができるようになるとか、両眼視、両方の目で見れるようになるよといったことなど詳しく講義のなかで教えてもらったので、お母さんたちにも知ってもらいたいなと思って用意しました。」

ただ、どうしても発達に関することは、「できる/できない」という部分にお母さんたちの関心が向いてしまいがちだと感じるそうです。
「真剣に読まれる方が多いので、『知識として入れておくぐらいでいいと思います』とお伝えしています。ひとつのことができていないだけでも、不安になってしまう方が多いです。お母さんたちにとってわが子の発達はナイーブな話題だと感じています。個人差が大きいことを丁寧に説明して、お母さんたちが心配しすぎないように気をつけています。」
会報誌や育児セラピスト座談会を何度も見返している
「協会から届く会報誌やYouTubeで3か月ごとに配信されている育児セラピスト座談会は、勉強になるので何度も見返しています。教室のなかでも自分の子育てでもいかせることが多くあります。」

そして、奥さんが教室を続けていくうえで、心に留めていることがあるといいます。
「廣島理事長が以前に会報誌で伝えられていた、教室運営は横展開ばかりに目を向けず、『本物』を求める方向に舵を切らないといけない、という言葉です。本当にその通りだなと思い、自分の目指すべきところもそこだと思っています。」